ミレニアル世代に愛されるブランドづくり 〜彼らが消費したくなるものとは?〜(前編)

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ミレニアル世代に愛されるブランドづくり 〜彼らが消費したくなるものとは?〜(前編)

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モバイルでイノベーションを起こす人や新しい潮流にスポットライトを当てるMOBILE PEOPLE 、今回は昨年12月開催のアドテック関西で大好評だったセッションのリポートを前後編にわけてお送りします。テーマはずばり、ミレニアル世代!

パネリストとして
# 若者に支持される音楽コミュニティアプリ「nana」を運営するnana music CEOの文原明臣 氏
ミレニアル世代の有名人“インフルエンサー”をマネジメントするVAZ社長の森泰輝 氏
富士フイルムビジネス エキスパートの五井裕之 氏
をお迎えし、メディア・インフルエンサー・企業ブランドそれぞれの視点を絡ませ語っていただきました。進行はFIVEの菅野圭介です。大人は知らないミレニアル世代の気持ちを掴むあれこれ、必読です。

■後編はこちら

まずは「ミレニアル世代」のおさらい

菅野
セッションを始める前に、「ミレニアル世代」という言葉の定義を整理したいと思います。「ミレニアル」とは、もともとはアメリカで誕生した概念で、1980年代から2000年代初頭に生まれ、2000年以降に社会進出する世代のこと。少期からデジタル化された生活に慣れ親しみ(デジタルネイティブ)ほとんどの人が日常的にインターネットとソーシャルメディアを使いこなしている(ソーシャルコネクテッド)ため、それまでの世代とは価値観やライフスタイルに隔たりがあるとされている。全人口の3分の1を占める最大の消費者グループだが、従来のマスマーケティング的なやりかたが通用しづらいと言われている、ということです。

この定義で言うと日本のミレニアル世代のボリュームは3,300万人で、人口の約4分の1、26%です。デジタルネイティブでソーシャルコネクテッドということは同じですね。この世代が日本においても次世代の中心消費者グループであることは間違いないですし、ブランドから見たときに次の大事なお客様、現在の大事なお客様でもあると思うので、そのしっかりとした輪郭を捉えることは大きな意味があると考えています。

「ミレニアル」ってマーケティング文脈ではバズワード化していますけど、意外と広い定義です。そこで日本でのミレニアル世代と呼ばれる世代の最大の特徴はなんだろう?と考えてみると、やっぱり「モバイルセントリックな人たち」ということだと思うんです。学生のときからガラケー、あるいはスマホがあって、日々の生活の中でそうしたデバイスを使いこなしている。情報への接触環境が、それ以前の世代とは身体感覚から違っていると思います。なので、今回のセッションを意味のあるものにするために、そうしたモバイル環境が若いとき、学生生活の頃から身近にあった世代、という視点を中心に議論を進めていきたいと思っています。

アメリカだとFacebookはもうすでに若い人たちにはあまり使われなくなってSnapChatというサービスのほうが人気を集めているという話もありますが、国内でも若者たちにはFacebookよりもツイッターやLINEが人気で、もはやインフラ化していますよね。一方で、今日お話しいただくnana musicさんもそうですしミックスチャンネルというアプリも聞いたことがありますか? 女子高生2人に1人が使っているというサービスも出てきていたり、かなり特色のあるコミュニティやメディア環境も生まれてきているというのが日本のいまの現状だと思っています。 

ミレニアル世代のリアルって?

スマホ1台あればいい、知らない人たちと音楽セッションする女子中高生

菅野
では前解説はこのくらいにして、まずはパネリスト3人の皆さんとミレニアル世代の現状に迫ります。日本ではいまこれがきてます!の代表例として、若者に圧倒的な支持を集めるnana musicの文原さん、このサービスについて紹介していただけますか?
文原
はい、僕たちが作っているnanaというサービスはスマホひとつで世界中の人たちと音楽のセッションができるというものです。ユーザー数は約300万人。半数が女子中高生の方々で、彼らが歌ったりピアノを弾いたりギターを弾いたりするんですが、月間投稿数が200万曲ほど、それが月間7,200万回再生されています。もともと世界中を音楽でつなげたいということで作ったサービスで、先月だけで116カ国から投稿されています。
菅野
国内だけじゃなくグローバルサービスでもあるということですね。
文原
世界中の人たちがスマホでレコーディングをしてシェアをしていますね。単純にマイクで録音して投稿するだけでなく、知らない人同士でコラボレーションができるようになっています。例えばある人がギターの音源だけをスマホで録ってシェアしたところに別の人がベースを入れてドラムを入れて、と重ね撮りをしていく。知らない人たちと音楽づくりをする、音楽でコミュニケーションを楽しむことができると。それから基本的なSNS機能も備えていまして、拍手を送ったりコメントのやりとりをしたりできます。
菅野
スマホ1台だけで完結してるんですよね。
文原
そうですね、気軽にできることも特徴で、ほんとに若い子たちが多いです。さらに、バーチャルの中で音楽仲間になるだけじゃなくてそこからリアルに派生するというパターンがかなり多くありまして、夏にはnanaのサービスから出てきた人気のユーザーを表に出してライブもやりました。
菅野
非常に今っぽいサービスですよね。スマホで録音してコラボして、リアルのイベントで実際集客するところまできていると。では続いて、VAZの森さんはミレニアル世代、若年層向けにインフルエンサーをネットワークしているということでそちらも紹介していただけますか。

芸能人より大きな影響力?無名の有名人“インフルエンサー”

まず、そもそもインフルエンサーって何なのか?という話です。世間で有名な人として皆さん一番ご存じなのは芸能人ですね。テレビで有名になって影響力を持っている人たちです。それに対してインフルエンサーって何かと言いますと、ネット上、ツイッターやMixChannelやYouTubeなどで自分で動画を投稿して有名になっている人たち、つまり個人の力で有名になって影響力を持った人たちです。  
菅野
たぶんね、私もそうなんですけど皆さんまったく知らない人たちが人気なんですよね。
そうですね。大人には無名の彼らがどれだけ影響力があるのかを知るために、芸能人と比べてみます。まずこちらは皆さんご存知、きゃりーぱみゅぱみゅさんのツイッターですが、それぞれのツイートがどれだけ拡散されているかを示す数字です。827とか3,200とかありますね。3,200って数字としてけっこうすごいですよね。800人とか3,000人がシェアしていると。続いてうちのテオくんという子です。皆さん誰も知らないですよね。ですが数字は、32,000、44,000。驚くべきことに、一般には誰も知らない人の投稿があれだけ人気のきゃりーさんの投稿の10倍くらい拡散されているんです。なぜこれだけ影響力を持ったのか、そのきっかけになった投稿がこの動画です。何がおもしろいかわけがわからないかもしれないですけど、子供になったつもりで見ていただけたらと思います。 

菅野
これが?
これが3,000万再生いったんですよ(笑)。

 

菅野
3,000万再生、半端じゃないですねテオくん(笑)。
こういう動画を投稿してたくさん再生された結果、ファンがついて影響力をもってしまったということです。きゃりー超えですね。もうひとり、うちの歩乃華(ほのか)という子を紹介します。

菅野
サムネはアレだけどほんとはかわいかったー!みたいな(笑)。
これも1,000万再生超えでして、今では彼女がここにいるよって言うと100人200人がすぐに集まってくるという、本当に芸能人みたいなかんじなんですよね。
菅野
なるほど。これが理解できるかどうか、みたいなところが大事なのかもしれない、というセッションですね、はい(笑)
どうしてこうした有名人がいることを大人は認知できていないかという理由なんですけど、大人世代がテレビやFacebookを使っている時に、若年層はごそっとツイッターにいるんですよね。ツイッターで流行っていることがFacebookに届かないからわからないんです。若年層にとってテレビはYouTubeになっていて、大人たちとは生きている世界が違う。
菅野
あらゆる世代が知っている有名人ではないと。
昔は全員がテレビを見ていたのでそこに芸能人という共通概念があったんです。大人も子どももみんな知っていた。それがスマホによって見ている場所が変わってしまったということです。
菅野
みんな知らないにも関わらず、若いコミュニティの中ではかなり影響力があるということが起きていると。五井さんに聞きたいんですが、企業の視点からはこうしたトレンドはどう見えていますか?
五井
いま会場にいらっしゃる方は広告主やマーケターの方が多いと思いますが、自分たちの知らないところにいろんなものが発生してきているということですよね。現状を考えるだけでも恐ろしいところがありますし、これからこういうことはどんどん進んでいくだろうと。当然無視はできないですし、自分から情報を取りに行って知らないといけないと思います。自分から取りに行かないと、そこにそれがあることもわからないんだけど、その商材、ブランドが狙ってるユーザーがそこにいたときどうするかということです。
菅野
文原さん、nanaの中にもインフルエンサーはいるんですか?
文原
そうですね、うちのコミュニティはうちのコミュニティで、投稿すると100万再生いく、オリジナルの楽曲もあるというような人はいますね。その人たちはうまい!曲がいい!というパターンもあるんですけれど、意外とメロディがキャッチーですごく短いという方が伸びていたりして、一概にうまさじゃないですね。スマホ時代で時間が短い中でいかにキャッチーに楽しめるかというところが重要なのかなと。
菅野
先ほどのテオくんもショートムーバーですが、スマホで細切れの時間でもコンテンツ消費ができていいよねということですか?
そうですね、彼らにとってツイッターは友達との近況報告の場所なので、短い動画のほうが受け入れられますね。逆にYouTubeはテレビと同じなのでだらだら見るということがあって、YouTubeは長尺でもいけます。

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